AOI KYOTO ANTIQUES
竹梅紋様 抹茶(濃茶)入れ容器
竹梅紋様 抹茶(濃茶)入れ容器
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茶道で淹れられる茶には、2種類の茶があります。
一般的に飲まれている薄茶(うすちゃ)とクリーム状の濃茶(こいちゃ)です。
この容器が、日本で濃茶用に使用された茶入れだと断定するには
少しだけ勇気がいります。なぜなら、一般的に日本で使用されている濃茶入れとは、その形状や大きさや趣が、ずいぶん異なるからです。
おそらく、この陶器は茶葉入れとして他のアジア諸国で制作されたものでしょう。陶工や制作年代は不明です。
それでも、私がこれが日本で濃茶入れ容器として使われたと考える大きな理由は、この漆塗りの蓋を裏返したとき、そこに、金の塗料が僅かに残っていることが確認できるからです。
古来、抹茶入れの蓋の裏には、金が含まれた塗料が塗られてきました。
金は、毒に触れると変色すると言われています。
ですので、たとえ抹茶入れ容器の中に毒が混入されても、すぐに気が付くように蓋の裏側に金が塗られました。濃茶入れは、その様式で現在でも制作されています。
なぜなら、かつて茶道を好んだ侍たちは、常に暗殺の危険から身を守る必要があったからです。
とても軽く成形された六角形の陶器の肌に吉祥文様である竹と梅が浮き彫りにされ、抑えた色調で着彩されています。そこには、茶人が好む〝侘びさび〟の美意識が表れています。
蓋には漆が塗られ、そこに1輪の花が控えめに描かれています。
茶入れ自体の美しさとともに、この容器を抹茶入れに転用した茶人の
独創的で自由な発想が素晴らしい作品です。
蓋に塗られた漆に、一筋の亀裂が入っています。乾燥によるものでしょう。
蓋自体と陶器には、明らかな損傷は見当たりません。
横の長さ 11㎝
高さ(蓋付き) 11㎝
蓋径 3.7㎝
蓋の高さ 1.2㎝
総重量 222g
陶器製。手洗いのみ。蓋は漆塗りが施されているので、
過度の乾燥に注意してください。食洗器不可。
漆は乾燥が苦手です。乾燥はひび割れの原因になります。
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